インプラント治療とは、第二の永久歯とも呼ばれ、歯の抜けてしまった場所へチタン製の人工歯根を埋入し、顎の骨に固定した後、これを土台として人工の歯を作製し装着する方法のことです。
顎の骨と結合した人工歯根を土台とするため、天然の歯と同様に安定した咀嚼をする事ができるようになります。また、周りの歯を傷つけない事に加えて、顎の骨が痩せる事も防ぐという利点があります。
さらに虫歯や歯周病に対する抵抗力が強いので、予知性の高い治療効果が期待できます。
その理由はブローネマルク・システムは極めて高い成功率を示すことが実証されており、世界的に安全が認められた世界標準のインプラントシステムであるからです。
ブローネマルク・システムと呼ばれるこの療法は、50年以上にわたり、現在では世界50カ国以上、140万人以上の人々の治療に役立てられています。
このシステムは顎の骨と結合し人工の歯根となるフィクスチャーと歯冠となる上部構造、そしてこれらを繋ぐアバットメントからなり、それぞれが精密にスクリューで結合されていて取り外せる構造となっています。この取外し可能な構造により、不慮のトラブルや経年劣化に対する対応が容易に可能となります。さらに重要なことは人間の身体および生活様式は変化し、その変化にも対応可能であるということです。例えばインプラント補綴物が装着されたところ以外の部位に補綴処置が必要になったような時に、コンポーネントが外せる事で上部構造の改造で対応が可能な場合や、追加でインプラントが必要な場合でも小規模のインプラント処置で対応が可能となります。また、生活様式の変化により、固定式の上部構造よりも取外しの可能な入れ歯の方が良い場合もあります。このような場合にも、アバットメントを入れ歯を支えるアタッチメントに変更する事で違和感の少ない、動かない入れ歯を作製することができます。
当院の院長は1989年に東京歯科大学歯科補綴学第3講座に入局し、大学病院勤務時代よりこのシステムに携わり研修会における講師などを経験して参りました。
その上でこのシステムの素晴らしさを実感し1995年に自医院においても導入いたしました。現在にいたる25年以上の間、当院にて治療された皆様は快適に過ごされ、高い評価をいただいております。
当初、下顎無歯顎を治療対象として開発されたブローネマルクシステムですが、様々な部位、状態の骨質に対応するべく種々のインプラントが開発され、当院でも導入に至っております。いずれのインプラントにおきましても、”生体内に異物であるインプラント体を埋入する”という特殊性を持つインプラント治療におきましては、「処置の成功のためには良いと思われることは全て行う」というブローネマルクシステムの治療理念は非常に有用なことであると考えております。
インプラント(人工歯根)治療を安全に行うためには、顎の骨の状態を詳しく調べることが重要です。特にCT画像を用いた3次元的な検査が不可欠です。
当院に導入されたCT:3D eXam®(ドイツ KaVo社製)は最高水準の歯科用CT機であり、画像精度が非常に高く、歯科で必要とされるすべての領域を10秒程度の1回の検査で撮影する事が可能です。更に他の歯科用CTの約1/2の被曝量で検査が行えます。
コンピュータシミュレーションシステムを導入しています。
CT検査で顎の骨の断面像を撮影し、得られたデジタル情報を元に3D解析を行い、治療計画をたてます。骨の硬さを調べることも可能です。
埋入方向、深さ等のシミュレーションを行うことで最適な形態、表面性状のインプラントを選択します。また、必要な場合はサージカルガイドを作製し、より安全で適切な治療を行うことが可能となります。
シミュレーションにより決定された治療計画を正確に再現するために、3Dナビゲーション・システム「X-GUIDE」を使用したナビゲーション・サージェリーを行っております。X-GUIDEは、GPSのようにドリルやインプラントを測位し、手術中にドリルの位置をリアルタイムに追跡し、インプラント埋入方向、角度、そして深さの精度と正確性を向上させることができます。
まず歯科用CTを用いて顎の骨の断面像を撮影し、得られた情報を基にシミュレーションシステムで3次元的な解析を行います。インプラントを埋入する方向や深さなどのシミュレーションを行い、適切な形状のインプラントを選定し治療計画を立案します。さらにX-GUIDEを用いることで、その設計通りの位置、角度および深さを0.1mm単位の精度で実際の口腔内に再現することが可能となります。サージカルガイドとは異なり、計画の変更にも対応でき、開口量の制約も少なく明視野で手術が行えるため、安全かつ適切な処置ができます。
さらにインプラント体の埋入や補綴物作製までの各ステップでOsstell™を用いてインプラント体の共振周波数解析を行っております。
これによりインプラントの安定性と骨の質を測定することが可能となり、その結果からインプラントの機能開始時期や発生する可能性のある不具合を予見することが出来ます。
インプラント治療では、このように治療前、治療経過中に必要な情報を収集し、綿密な治療計画を立てることが重要です。
当院では一般の診療環境とは完全に隔離した専用の手術室を設備し、大学病院と同レベルの衛生環境、各種モニターによる管理の下、インプラント専門医、インプラント専門衛生士およびトレーニングを受けたスタッフがインプラント治療にあたります。
あらゆる状況に備えて、インプラント手術に必要な機材は複数セット準備し、インプラント用のモーターにおいてもバックアップ用のシステムを備え、不慮の事態に対応できる体制をとっております。最良の結果を得られる様にインプラント手術に際しては術前に緻密な計画を立てて臨みますが骨の硬さ等により当初の計画を小変更した方が良い場合があります。
このようなときに備えて当院では豊富なインプラント材料を常時備えて万全の体制で手術に臨みます。
インプラントに関する学会として我が国で公的に認められた唯一の学会である日本口腔インプラント学会の専門医の資格は、厳しい学会の審査基準を通過した歯科医師のみが取得できるものです。
更に5年ごとの更新の都度、審査を受けなければなりません。
この資格を維持するためには知識と技術の向上を目指し、努力と実績を積むことが必要です。
さらに、当院の院長は日本口腔インプラント学会の指導医の資格を取得しています。指導医資格は専門医資格のさらに上級資格であり専門医の指導を行う立場の資格です。取得には論文数、学会発表歴、症例数、技術レベル、医学知識および倫理観において非常に高いハードルが設定されています。
インプラントを長期に安定して機能させるためには正確な手術手技はもちろんですがクオリティーの高い補綴物さらには個人の顎の機能形態をも考えた診断が最も重要です。
当院の院長は長年東京歯科大学においてインプラント補綴に関して研鑽を積み、インプラント治療の第一人者であり恩師でもあります小宮山彌太郎教授指導のもと高度先進医療の担い手として大学病院に従事して参りました。
また、学位取得の論文テーマはインプラント体の埋入方法とその力学特性に関するものでインプラント補綴に関しての診断に直接関係するものです。これらの知見をもとに的確な診断と治療計画を立案いたします。
さらに、インプラントの上部構造物の技工は院長とともに東京歯科大学付属病院補綴科でインプラント補綴に従事して参りました、日本口腔インプラント学会認定のインプラント専門技工士であります当院専属技工士、高橋伸明氏があたります。また、インプラント処置の始めから術後のメインテナンスに至るまで日本口腔インプラント学会認定のインプラント専門衛生士がケアを担当いたします。
安心のインプラント治療のためには医院の設備も重要ですが、それ以上に内容のある経験を積んだ歯科医師ならびにスタッフが高いレベルの能力を備えている事が重要です。
インプラント手術(1次手術、2次手術を含む) | ¥280,000〜¥300,000 |
---|---|
上部構造 | ¥150,000~¥180,000 |
骨造成等の付帯手術 | ¥15,000~¥180,000 |